前立腺癌
前立腺がんとは
前立腺の病気の中で、前立腺肥大症と並んで気をつけなければならないのが、前立腺癌です。前立腺肥大症が前立腺の内側が肥大するのに対して、前立腺癌は前立腺の外側に発症します。
このため前立腺癌の初期には自覚症状はほとんどありません。癌が進行して前立腺の内側まで影響を及ぼすようになると前立腺肥大症と同じように「尿が出にくい」などの症状が出ます。
早期には
- 癌特有の症状はない
進行すると
- 尿が出にくい
- 残尿感がある
- 排尿時に痛みがある
- 尿や精液に血が混じる
前立腺がんの検査方法
症状だけで早期に前立腺癌をみつけるのは困難ですが、PSA検査という血液検査で前立腺癌を早期に見つけることができます。50歳を過ぎた方は、いちどPSA検査を受けることをすすめます。
PSA基準値 | |
---|---|
全年齢 | 4.0ng/ml以下 |
64歳以下 | 3.0ng/ml以下 |
65~69歳 | 3.5ng/ml以下 |
70歳以上 | 4.0ng/ml以下 |
近年、日本では前立腺癌の患者数が増加しており、男性の癌の中で1番目に患者数が多い癌です。
前立腺癌が増加した背景
- 人口の高齢化
- 食生活の欧米化
- PSA検査の普及
前立腺癌の診断における様々な検査
(一般検査)
- 血液検査PSA検査をします。
- 触診前立腺の大きさや硬さ、表面の形状を調べます。
- 超音波検査前立腺の大きさや形、癌の有無を調べます。
- MRI検査前立腺の大きさや形、癌の有無を調べます。
(確定診断)
- 前立腺生検組織を採取し、癌細胞の有無やその悪性度などを調べます。
(病期診断)
- CT検査前立腺癌の広がりや他の臓器への転移の有無を調べます。
- 骨シンチ骨への転移の有無を調べます。
前立腺がんの特徴とその治療法
前立腺癌は他の癌に比べて比較的予後は良いです。
特徴
- 高齢男性に多い
- 進行は比較的ゆっくりしている
- 早期であれば根治が可能である
- 内分泌療法が有効である
治療法としては、早期癌であれば局所療法(手術療法・放射線療法)が選択され、進行癌であれば内分泌療法が主体となります。
治療を決定する要素
- 癌の病期と悪性度
- 患者さんの年齢
- 全身状態
- 患者さんの希望