漢方薬と漢方治療
現在、使用されている漢方薬は、中国から伝来したものを基本とし、それに手を加えることによって確立された日本独自の処方となっています。複数の生薬を組み合わせた薬であるため、多くの有効成分が含まれており、ひとつの処方でもさまざまな症状を改善し、体質の改善や病気の予防を期待できます。
そのため、漢方薬は、検査では「異常がないと言われる病気」「原因不明の慢性的な体調不良」に効果を発揮します。
漢方薬単独で効くこともあれば、西洋薬との併用することで効果が高まることもあります。
漢方薬は、効果が出るまでに時間を要するものもあり、少なくとも2週間以上服用して効果があるかをみてもらう必要があります。副作用が全くないわけではありませんが、程度も軽く頻度も少ないと言われています。主なものとしては、食欲がなくなる、じんましんが出る、むくむ、動悸がする、血圧があがる、熱が出る、などがあり、まれに、肝機能障害や間質性肺炎などの重篤な副作用が出ることもあります。
泌尿器科などと漢方薬について
泌尿器科であつかう病気もさまざまな症状を呈することが多いため、漢方薬が有効となることがあります。
「尿の回数が多い」「残尿感がある」「尿の出が悪い」などの尿に関する症状だけではなく、「元気がない」「食欲がない」といった全身症状にも対応しています。
当院では、泌尿器科の病気以外にも下記のような症状に対する漢方薬を使用しています。困っていることがあれば、ご相談ください。
それぞれについて詳しく知りたい方は、以下のボタンをクリックください。
症状と処方する漢方薬について
ひとによって症状が異なるため、ひとりひとりの体質や症状に合った薬を選択します。
困っていることがあれば、一度ご相談下さい。
残尿感がある |
猪苓湯・桂枝茯苓丸・当帰芍薬散加竜胆瀉肝湯 など |
尿の回数が多い |
牛車腎気丸・清心蓮子飲 など |
尿の出が悪い |
八味地黄丸・六味丸 など |
元気が出ない |
補中益気湯 など |
食欲がない |
十全大補湯・人参湯 など |
全身が冷える |
人参養栄湯、補中益気湯、大建中湯、八味地黄丸 など |
手足が冷える |
当帰四逆湯、桂枝茯苓丸 など |
ストレス |
抑肝散、加味逍遥散 など |
むくみで冷える |
五苓散、真武湯 など |
固太りの肥満 |
防風通聖散 など |
水太りの肥満 |
防已黄耆湯 など |
心身とも疲れて眠れない |
酸棗仁湯 など |
神経が高ぶって眠れない |
抑肝散、抑肝散加陳皮半夏 など |
発熱・頭痛を伴うかぜ |
葛根湯、麻黄附子細辛湯 など |
鼻水の出るかぜ |
小青竜湯 など |
咳が出て長引くかぜ |
麦門冬湯 など |