腎臓・膀胱・前立腺等のがん
ここでは腎臓や膀胱、前立腺のできるがんについて説明します。
腎細胞癌
検診や他の疾患の精査中に偶然にみつかる“偶発がん”が増えています。手術が第一となります。癌による血管新生を抑制する薬剤もあり治療の幅が拡がっています。
腎盂癌・尿管癌
血尿をきたすことが多く、膀胱癌を合併することもあります。CTなどの画像検査が有用ですが、内視鏡(尿管鏡)による検査を追加することもあります。多発することが多いため、腎臓・尿管・膀胱の一部を一塊として完全に摘出する手術が標準となります。
膀胱癌
血尿から見つかることが多いです。病気が進行すると頻尿や排尿時痛などの膀胱炎症状が起こることもあります。多くの場合、膀胱鏡検査で診断されます。膀胱癌は表在性膀胱癌と浸潤性膀胱癌に分けることができます。表在性膀胱癌は経尿道的手術で治療しますが、転移のない浸潤性膀胱癌では開腹手術が適応となります。
前立腺癌
高齢化などにより急激に増加している癌です。初期の段階でほとんど自覚症状はなく、排尿困難や頻尿、血尿などの症状が現れる頃には進行していることが少なからずあります。腫瘍マーカーとして、PSA(前立腺特異抗原)があり診断の助けとなります。生検で癌の確定診断が得られます。治療法は、手術療法、放射線療法、内分泌療法など様々です。
精巣腫瘍
痛みのない陰のうの腫れで見つかることが多く、20~30歳代若い人に好発します。腫瘍マーカー(LDH、AFP、βHCG)が診断に有用です。高位精巣摘除術を行って腫瘍の組織を確認してから組織や進行度に応じて、経過観察や放射線、抗癌剤などの治療を決定します。