おねしょ(夜尿症)とは
5~6歳をすぎても夜間、睡眠中に尿がもれることを夜尿症(おねしょ)と言います。
乳幼児のときは、尿が貯まると反射的に排尿しますが、年齢が進むにつれて尿をためておくことができるようになります。
5~6歳をすぎたころから、夜尿症は落ち着いてくると言われますが、この成長過程には個人差があります。
3歳でおねしょをしなくなる児もいれば、8歳をすぎてもおねしょをする児もおり、排尿・畜尿が完成する年齢には、個人差があります
夜尿症の頻度には5~9歳では10%前後、10~12歳で5%前後との報告があります。
おねしょの原因 : はっきりしない
ストレス?
罪悪感がある
親や先生に叱られた
友達とけんかした
悩んでいる
成長の発達の遅れ?
畜尿・排尿の機能の発達には個人差がある
過活動膀胱?
急にトイレに行きたくなってがまんができない
-
生活習慣?
水分の摂取が多い 夜間の食事時間 塩分の摂取が多い
-
睡眠障害?
眠れない 眠りが浅い
遺伝?
親に夜尿症があると子供も多くなる?
おねしょの治療 : 確実で速効性のものはない
薬物療法
夜尿症の原因と程度により使い分けます。
夜間多尿型 | 夜間の尿量が多い |
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膀胱型 | 膀胱の容量が少ない |
混合型 | 夜間の尿量が多く膀胱の容量が少ない |
正常型 | 夜間の尿量も膀胱の容量も問題ない |
抗利尿ホルモン薬
- 尿を凝縮して尿を減らす
- 有効率:20~30%
- 頭痛や鼻出血などの副作用
抗コリン薬
- 膀胱の容量を増やす
- 有効率:50%
- 口渇感、下痢や便秘などの消化器症状などの副作用
三環系抗うつ薬
- 膀胱の容量を増やす レム睡眠の時間を短縮する
- 有効率:50~80%
- 頭痛や不快感などの不定愁訴、肝機能や血液障害などの副作用
漢方薬
- 様々な作用
- 小建中湯 ←冷え・頻尿・食が細い
- 抑肝散 ←神経が高ぶっている
- 甘麦大棗湯 ←ストレスが強い
- 有効率:30~40%
生活改善
- 夜の食事の時間が遅くないか?
- 夜の水分摂取が多くないか?
- 塩分をとり過ぎてないか?
- ストレスがたまっていないか?
- 疲れすぎていないか?
行動療法
夜間アラーム
- 寝る前に装着し、夜尿をした時にアラームで知らせてくれる器具
お子様への対応のポイント
夜尿症(おねしょ)はありふれた症状です
- 性格や育て方は、全く関係ありません。
- 親が悪いわけではありません。
- 子供が悪いわけでもありません。
- 兄弟姉妹でも差があります。
原則
- 叱らない
- 焦らない
- 比べない
ゆっくりと、長い目で
- 子供さん本人の意欲と、親御さんの協力が必要です。親子でいっしょに考えていきましょう。
- 「あせらず」「ゆっくりと」「長い目で」取り組みましょう。
対策
- キャンプ、修学旅行などの場合は、付き添いの先生に「ひとこと」声をかけておくことが必要です。
- 「おねしょ対策グッズ」を活用して、夜尿症に対する「ストレス」を減らすことも大事です。